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エッチングとは?

エッチングというと、銅版を腐食させる技法を思い出される方もいらっしゃるようですが、これは、銅版に蝋を主剤とする防食剤を塗り、針などで彫り、露出した銅面を硝酸などで腐食させて凹版を作る技法です。
ガラス工芸技法としては、耐酸性の被膜の一部を切り、強酸でガラスを腐食させ装飾加工します。アール・ヌーヴォーを代表するエミール・ガレは、それまでの工芸としてのガラスを、芸術の領域にまで高めました。ただしこの技法は劇薬を使用しますので、廃液処理施設を備えなければ出来ない大がかりなものでした。
その後、砂を用いるサンドブラスト技法が、1870年アメリカのテイルマンにより、船舶の錆落とし用として発明されました。サンドブラストとは、高圧エアで金剛砂(サンド)など堅くて細かい砂を吹き付け(ブラスト)て加工する事を指します。
このサンドブラストという新たな技法をガラス彫刻に用いる事により、手軽にガラスを加工することが出来るようになりました。アール・デコ期を代表するガラス作家モーリス・マリノ(1882~1960)が多用した彫刻技法でもあります。この技法を使うことによって、短時間で制作できるうえ、彫刻面の深さなどを微妙に変化させることができ、彫刻に立体感を持たせる段彫りといった事も出来ます。
今では、薬品による腐食、サンドブラスト、どちらの技法もエッチングと呼んでいます。

ガラスとエッチング

『ガラスは液体状態を凍結したような状態であり、それは準安定状態にあると言える。従って、非常に長時間経過するとガラスは安定状態である結晶化すると考えられるが、それに対しては異論もある。また、ガラスは固体ではなく、過冷却により粘度が非常に高くなった液体であるという捉え方もある・・・』
と書いてしまうと、なんだかむずかしく近寄りがたく感じられてしまいますが、ガラスは非常に古くから人々の身近に存在し、親しまれてきました。

ガラスの歴史は古く、紀元前5000年ごろにはすでにメソポタミアで使われていたと考えられています。当時はガラス自体を材料として用いていたのではなく、青銅器の製造と関連して副次的に作成されていたと考えられています。
天然ガラスの利用はさらに古く、火山から噴き出した溶岩がガラス状に固まったものは黒曜石と呼ばれ、石器時代から石包丁や矢じりとして利用されてきました。
古代エジプトではさかんにガラスの製造が行われており、宝石とガラスを交換することもあったそうです。アッシリアの石版図書館の文献にはガラスの製造法に関する記述も多く、現在のソーダ灰ガラスと同様のガラスが既に作られていました。
紀元前1世紀にフェニキアで吹きガラスの技法が発明され、壺や花瓶のような形状のガラスが製作されるようになりました。細い鉄パイプの先に溶けたガラスを付けて、息を吹き込み膨らませる方法で、現在でもガラスの成形などに使われる方法です。当時エジプトやフェニキアはローマ領であったため、古代の精巧なガラスはローマングラス(Roman Glass)と総称されます。さらにササン朝ペルシャ(西暦3世紀~7世紀)ではカットガラスの技法が盛んになりました。
古代中国では西方系のガラスとは別に鉛ガラスの技法が発明されていたようですが、西方系のソーダ石灰ガラスや吹きガラスの手法も早くから伝わっていました。韓国では紀元前1世紀の伽耶の遺跡から西方系ガラスが出土し、新羅古墳からもしばしばササン系ガラスが出土しています。日本の正倉院でもササン・ガラスと断定されたペルシャ系琉璃碗などが伝えられています。

ガラスが産業的に重要な意味を持ってくるにつれて、ガラス職人の社会的地位は向上しましたが、同時にその製法は秘密とされました。ヴェネチアでは酸化鉛を加えることで屈折率が高く輝きのよいガラスを製造することに成功しましたが、その秘法は秘中の秘とされましたた。この製法によるガラスは現在でもクリスタルガラスとして、高級食器やグラス、またイミテーションなどに用いられています。
ガラスは砂や灰などの原料を1000℃以上の高温で溶融し、冷却・固化するというプロセスで作成されるため、当時ガラス製作には大量の燃料が必要でした。そのため、ガラス工房は各地の森を転々と移動し、その森の木を燃やし尽くしたら次の森を探して移動するようなことになっていた。ガラス工場が定在するようになったのは石炭と石油が利用されるようになってからです。
もともとは植物の灰の中の炭酸カリウムを砂の二酸化ケイ素と融解して得られたので、カリガラスが主体でした。灰を集めて炭酸カリウムを抽出するのに大変な労力を要したのでガラスは貴重なものであり、教会の窓、王侯貴族の食器ぐらいしか用いられたものはありませんでした。

産業革命中期以降は、炭酸ナトリウムから作る、現在も用いられるソーダ石灰ガラスが主流になります。F・ジーメンスらが1856年に特許を取得した蓄熱式槽窯を用いた製法により、ガラスの溶解技術が一大進歩を遂げました。これにより溶融ガラスの大量供給が可能となりました。
19世紀末にヨーロッパで活躍したアール・ヌーヴォーを代表するエミール・ガレ(1846~1904)は、パリ万博に出展し大好評を博し、それまでの工芸としてのガラスを、芸術の領域にまで高めました。やがてガレの死と共にアール・ヌーヴォーは終焉を迎えますが、ガレの思想は次世代となるアール・デコ期の作家ルネ・ラリック(1860~1945)やモーリスマリノ(1882~1960)らに継承されました。

20世紀に入ると、次々と新しい生産方法が開発され、生産能率は飛躍的に高まりました。
近年では、有機金属の溶液から溶融状態を経由せずに直接ガラスを得る、ゾル-ゲル法が研究され、有機無機ハイブリッド材料の創製など、従来では考えられなかったガラスの用途が次々に開かれてきています。
現在、ガラスは食器や構造材のみならず、電子機器、光通信など幅広い分野で生活に必要不可欠なものとなっています。

一見分極化されてしまったガラスですが、エッチングによるガラス彫刻は芸術の領域から再び身近なものになりつつあります。結婚式のウェルカムボードや出産祝いのギフトとしてのみならず、住宅や店舗の窓やパーティションにもエッチングの技術は浸透しつつあります。
レストランや喫茶店に立ち寄ったとき、是非、ウインドウやパーティションに目を向けてみて下さい。“シール”で代用しているところもありますが、本物志向のお店は、“彫刻”を施してあるはずです。その彫刻が、私の手によるエッチングであると大変嬉しいのですが...

※本文は、「ウィキペディア・フリー百科事典」及び「芙蓉商事株式会社・HP」より引用しています

ガラスの種類

■ソーダ石灰ガラス:
現在最も広く利用されているものである。ソーダガラスなどとも呼ばれ、安価なことから板ガラス、ガラス瓶などに広く利用される。
ソーダ石灰ガラスは珪砂 (SiO2)、炭酸ナトリウム (Na2CO3)、炭酸カルシウム (CaCO3) を混合して融解することにより得られる。炭酸ナトリウムを加えると融点は 1,000 ℃近くまで下がり加工が容易になる。しかし炭酸ナトリウムを加えると水溶性になるため、さらに炭酸カルシウムを加えることでこれを防いでいる。

■クリスタルガラス
高品位の無色透明ガラスのこと。一般的には、珪砂、カリウム、ソーダ灰というガラスの主成分に、酸化鉛(PbO)を添加して形成される鉛ガラスの一種のことである。
ガラスの透明度と屈折率が高まり、その輝きから水晶(クリスタル)のように透明なガラスということで、通称として「クリスタル」と呼ばれる。
酸化鉛がガラス全体の25%以上のものを、クリスタル(レッドクリスタル・フルレッドクリスタル)、12%程度以下のものをセミクリスタルと呼ぶ。
一般的には、鉛の含有量が上がるほど光の透明度や屈折率が高くなる。その実現には、溶解・成型・徐冷・加工などの高度な製造技術や他の混合物等の配合も重要な要因であり、一概に鉛の含有量とイコールではない。
透明度の高いガラスとなるためガラス食器・グラス類・ガラス工芸及びその素材に用いられる。素材としては、カッティング装飾による一層の輝きを与られるカットグラス(切子)。とんぼ玉等のバーナーワーク向けのグラスロッドなど。 製品としては、高級洋食器・グラス・トロフィー・シャンデリア・ジュエリー・ビーズ等となり販売される。

■カリガラス:
ボヘミヤグラスをはじめ、ヨーロッパで古くから使われている。鉛の代わりにカリウムを使っており、透明度の高さ、光沢の美しさが特徴。

■石英ガラス:
石英 (SiO2) から作成されるガラスで、石英純度の高いものをいう。溶融石英、溶融シリカ、シリカガラスなどとも呼ばれる。耐食性、耐熱性にすぐれ、非常に透明なことから、理化学用途や光ファイバーの材料などに幅広く用いられる。
古典的な製造法は水晶の粉末を2000℃以上で溶融、冷却しガラス化する方法である。しかし、この方法で作られた石英ガラスは不純物が多い。
純度の高い石英ガラスを必要とする場合は、四塩化珪素 (SiCl4) の気体から化学気相蒸着 (CVD) によって製造する。例えば光ファイバーを製造する場合には、B(ホウ素)などを添加して屈折率が低くなるように調整した石英ガラスのチューブを用意し、その内側に前述の方法で SiO2 を析出させて作製する。
高温を必要としない製造プロセスとしては、ゾル-ゲル法がある。ゾル-ゲル法は、金属アルコキシドの溶液からゾル状態、ゲル状態を経て固体のガラスやセラミックスを得る方法である。ゾル-ゲル法による石英ガラスの製造では、テトラエトキシシラン (Si (OC2H5) 4) をエタノール水溶液中で加水分解して石英ガラスの多孔質湿潤ゲルとし、これを乾燥・焼結して透明な固体の石英ガラスを得る。焼結温度は1200℃以下で、これは他の方法と較べてかなり低い温度である。
石英ガラスは他のガラス同様に熱伝導率が小さいが、熱膨張率も非常に小さい(約10-7/K)ため、急激な温度変化による熱衝撃の影響をあまり受けない。そのため、赤熱した石英ガラスを水中に放り込んでも、ガラスコップのように割れてしまうことはない。

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